農業経営の安定を届ける農業共済

令和4年1月新年号

後継者と二人三脚で
料理を引き立てる木の芽
稲沢市 石原佐敏(イシハラサトシ)さん(63)

 魔よけになるという山椒。その葉「木の芽」は、瑞々しく青々とした葉が左右対称に整然と並び、添え物として料理を引き立てる。お節料理を飾る一品としてお薦めするインターネットサイトも。


出荷用に箱詰めされた木の芽

 「見た目が良いと、料理が引き立つから、形には特に気を付けているよ。」そう話す石原佐敏さん(63)は、20歳で親の後を継いで木の芽農家となった。
 主に娘婿の諏訪慶司(スワケイジ)さん(40)とともに、約10㌃のビニールハウスと委託地も含めた約30㌃の農地で木の芽を栽培する。最大の苦労は、「苗木作りだ」と話す。苗木作りだけで1年近くかかる上、年間約8万本が必要となる。苗木生産の一部は委託しているが、より良質な木の芽を生産するため、自身でも苗木作りに尽力している。
 しかし、苗木生産業者の高齢化のほか、露地栽培は自然災害の影響が強いため、今後の苗木不足が懸念材料だ。
 さらに、新型コロナウイルスの流行による需要減で、経営に打撃を受けた。「精神的にとてもつらかったが、収入保険に加入していたことで、保険の大切さを確認した。」と強調する。


木の芽の生産施設にて写真左から石原佐敏さんと諏訪慶司さん


 最近は需要が回復してきているが、燃料費高騰など問題は尽きない。
石原さんは「経営の見直しを考えている。娘婿という後継者ができ、市場で待っていてくれる人がいるので、この経験を活かし頑張っていきたい」話す。
(三輪、安藤)